障害者プラン(ノーマライゼーション7か年戦略)を詳しく解説!

障害者プランの正式名称は『障害者プラン・ノーマライゼーション7カ年戦略』とされており、ノーマライゼーションとリハビリテーションの理念に基づいて、7つの視点から障害者対策の重点的な推進を図るものとなっています。保育士試験内容

障害者プランの正式名称は『障害者プラン・ノーマライゼーション7カ年戦略』とされており、ノーマライゼーションとリハビリテーションの理念に基づいて、7つの視点から障害者対策の重点的な推進を図るものとなっています。

健常者と障害者が共に共生するために

地域の中で健常者と障害者が共に共生する為に、グループホームなど障害がある人の住居や活躍できる場、福祉サービスを確保することが目標として掲げられています。これらを整備する目標として、グループホームの数や授産施設の数を具体的な数値で設置する目標が掲げられました。

※授産施設とは、子供を産むための施設ではなく、『生活保護法』に基づく保護施設のうち、身体上・精神上の理由または世帯の事情で就業能力の限られているよう保護者に対し、就労や技能の習得のために必要な機会を与え、自立を支援する施設で要保護者の就業能力の程度や経歴に応じて実務作業と職業訓練が行われます。この施設の設置主体は都道府県・市町村・地方独立行政法人・社会福祉法人・日本赤十字社に限られています。

社会的自立を促進するために

障害者の社会的自立に向けた取り組みとして、障害の特性に応じた教育体制の確保(あすなろ学級など)や教育・雇用・福祉の連携を図ることによって、適正な能力に応じた雇用体制を作り職業を通して社会参加ができるような取り組み(就労支援移行など)を行うこととしました。

バリアフリー化の推進

障害者の方達が社会において社会参加ができる社会を作るために、公共の場や建物内などのバリアフリー化に対して積極的に取り組むことが課題として挙げられました。

具体的には幅員が3メートル以上の幅の広い歩道を21世紀初頭までに13万か所整備することや、新設する駅や既設で1日の利用者数が5,000人以上、段差が5メートル以上ある駅についてはエレベーターを設置すること、新たに設置する窓口業務を持つ官庁の施設などではバリアフリー化を行うことなどがあります。

QOL(Quality of Life)の向上を推進

文化・スポーツ・レクリエーションなど、自己表現の場や社会参加に通づる生活の質の向上のために、先端技術を用いて実用的な福祉用具情報通信機器の開発・整備余暇活動を楽しむことができる場所の整備を行っていくことなどが目標として挙げられました。

安全な暮らしを確保するために

地震や火事・水害などの自然災害や犯罪から障害者を守り、安全な暮らしを確保するために、地域の防犯・防災ネットワーク緊急通報システムの構築を行うことが目標とされました。具体的には、緊急通報を受理することができるFAX110番を全都道府県の警察に整備することなどが挙げられています。

心のバリアを取り除くために

障害者との交流を図ることにより、障害や障害者についての理解を深め、差別や偏見を助長するような用語などの見直しを図ることが目標として挙げられました。

具体的には、ボランティア活動を支援する事業の充実、拠点施設の整備を進めると共に、精神障害者についての社会的な偏見の是正を促すこととされています。

我が国にふさわしい国際協力・国際交流を

障害者施策で集積されたノウハウの移転障害者施策推進のために経済的支援を行うなど、各国の障害者や障害者福祉に従事する人との交流を深めることが目標として掲げられました。

具体的には国際機関を通じた協力や交流の推進、ODAにおける障害者への配慮などが挙げられます。

障害者プランが策定された背景は?

障害者プランが策定されることになったのは1993年に制定された障害者基本法が大きく関わっています。障害者基本法によって障害者基本計画の策定が義務付けられ、1994年9月に厚生省内に『障害者保険福祉施策推進本部』が設置されました。

障害者プランは市町村が中心となって施策を実施していくこととなるため、1995年に「市町村障害者計画策定指針が作成されています。「ゴールドプラン」や「エンゼルプラン」など、高齢者・子育て支援の施策が先行するのに対し、障害者対策は施策が遅れていることを指摘され、1995年7月には障害者プランの原型とされる『障害者保険福祉推進本部中間報告』が発表されました。

アルパカ
アルパカ

老人・子供の施策が先行していて、障害者対策が進んでいなかったことから指摘されていたんだね!このタイミングで、1995年以降は、障害者運動の広まりや各地の団体で様々な事業が展開され始めていたこともこの障害者プランが策定されたことがきっかけになっているんだよ!

1995年に策定されてから7年後にあたる2002年には、『障害者基本計画』と『障害者プラン』が最終年度になった関係で2002年12月24日に『”新”障害者基本計画』と『”新”障害者プラン』が策定され、内容が引き継がれています。

新たに進化した”新障害者基本計画”

新障害者基本計画は、2003年から2012年の10年間を対象に策定され、「ノーマライゼーション」と「リハビリテーション」の理念を引き継ぎながらも共生社会の実現を目指したものとなっています。

  • 社会のバリアフリー化
  • 利用者本位の支援
  • 総合的かつ効果的な施策の推進
  • 障害の特性を踏まえた施策の展開

この4つを基本的な方針として掲げています。

新障害者プランは新障害者基本計画の前期5年

新障害者プランは別名『重点施策実施5カ年計画』と呼ばれ、新障害者基本計画の前期5年間で重点的に実施する施策や目標について定めた内容となっており、共生社会の実現のために障害者の社会参加を促すと共に、福祉サービスの整備やバリアフリー化の促進などの基盤整備を行いこととしています。

具体的には、ホームヘルパーの確保、デイサービス等の在宅サービスを充実させ、地域生活を支援・グループホームや授産施設の整備、活動の場を設けるなどの目標を定め、取り組みにおける具体的な目標が設定されています。

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