子どもの健康診断(アレルギー・神経筋疾患編)

保育士試験内容

アレルギーとは、免疫反応が自分に不利な方向に働いたものです。人体に不利な作用を起こす原因となるものをアレルゲンと言い、遺伝的体質や環境により影響を受けます。年齢、季節により症状が変化したり色々なアレルギー疾患を繰り返したりします。

食物アレルギー

ある特定の食品を食べると、食べた後に嘔吐、下痢などの腹部症状や蕁麻疹などの皮膚症状が出ることです。主なアレルゲンとしては、牛乳、卵、蕎麦などがあります。疑いがある時には医療機関で検査を受け、その診断をもとにアレルゲンとなる食べ物を除去したり、再開する時期について指導を受けます。除去食(アレルゲンを除いた食事)を行う時には、加工品に含まれる食品についても注意が必要です。また、成長期の子どもでは除去した食べ物に変わる栄養についても、配慮が必要です。

即時型食物アレルギー

原因となる食べ物を食べて主に2時間以内(多くは食べた直後から30分間)に、皮膚や粘膜、消化器、呼吸器などに症状が現れるものです。
赤ちゃんから大人まで年齢を問わず発症しますが、最も患者数が多いのは0〜1歳で、年齢が上がるとともに治っていくことが多いので、患者数は減っていきます。症状で最も多くみられるのは、皮膚症状(かゆみ、じんましん、赤くなるなど)で、9割近い人にみられます。ほかに、咳、目のかゆみ、鼻水、吐き気や腹痛など、人によりいろいろな症状が現れます。ときにアナフィラキシーという重い症状が現れ、命に危険が及ぶこともあります。

アトピー性皮膚炎

乳幼児期に湿疹から始まり、皮膚がカサカサになり、痒みを伴う様になる皮膚炎です。子どもの場合、皮膚を掻き壊してとびひを合併したりすることがありますので、注意が必要です。皮膚を清潔にし、保湿剤や非ステロイド系抗炎症剤、ステロイド剤などの塗り薬を症状によって使い分けます。

気管支喘息

アレルギー反応により、機関紙の平滑筋が収縮し、起動が狭窄することにより、呼気性の呼吸困難となった時を気管支喘息の発作と言います。アレルゲンはハウスダストやダニなどの吸入抗原が多いです。発作が起きた時には、水分を取らせ、腹式呼吸をさせる様にしましょう。水分が飲めなくなったり、苦しそうな咳や呼吸が続いたりする時には、医療機関で吸入や点滴などの治療を受けます。

発作が起きていない時の普段の生活も大切で、アレルゲンとなりハウスダスト、ダニなどが生活環境になるべく少なくなるように、ホコリを吸収するものは周囲に置かないようにし、絨毯やぬいぐるみなどはなるべく取り除きます。動物や観葉植物を屋内に置くこともなるべく避けます。また、腹筋や皮膚を鍛えるようにし、息を吐き出す練習として、笛を吹いたり、ピークフローメーターを用いて自分の息を吐き出す力を記録したりします。

花粉症

くしゃみ、鼻水などの症状のアレルギー性鼻炎や目が痒くなるなどのアレルギー性結膜炎をしばしば起こします。アレルゲンはスギ花粉が多いです。年長になってから突然発症することが多いですが、最近は低年齢化しています。症状を和らげるために、点鼻薬や点眼薬、飲み薬がありますが、外出から帰宅した時のうがいや手洗いも大切です。

アナフィラキシー

アレルギー反応のうち、最も重症なものです。蕁麻疹、口腔、咽頭のアレルギー性腫脹、喘鳴、呼吸障害、血圧低下などの一連の症状を認めます。通常原因物質と接触後30分以内に起こることが多いため、疑われる時には、急いで救急病院に連れいていくことが必要です。過去にアナフィラキシーを起こしたことがある場合には、緊急時に筋肉注射できるアドレナリン自己注射製剤(エピペン)を使用することもあります。

神経筋疾患

脳性麻痺

脳性麻痺とは胎児期や周生期の原因による大脳の非進行性病変により、運動障害をきたしたものを言います。症状としては筋緊張の異常、姿勢の異常、言語障害、痙攣などがあります。精神遅滞は伴う場合と伴わない場合があります。

てんかん

てんかんは発作的に痙攣、意識障害、精神症状などを反応反復して起こすもので、脳に受けた外傷や腫瘍などの病変後に起こるものもあれば、原因不明のこともあります。発作があり、脳波に発作波が認められれば抗痙攣剤を服用します。服用によって痙攣発作が抑えられていれば、日常生活において特に活動を制限する必要はありません。

精神遅滞(知的障害)

精神遅滞とは明らかに平均以下の全般的な知的障害があり、発達期の18歳未満に発症したものとし、適応行動が年齢基準より明らかに低いことです。原因疾患は様々なため、それぞれの遅滞に合わせた対応が必要です。知能指数(IQ)が70以下であることが診断基準となっていますが、その後の教育で社会生活指数(SQ)をあげることはできます。

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