子どもの感染症の集団発生と予防

保育士試験内容

近頃はCOV-19(新型コロナウィルス)の影響で、全世界の人々が感染症の恐ろしさを実感し、予防対策に努めている事かと思います。そんな中、乳幼児や児童にとって怖いのはコロナウィルスだけではなく、特にまだ免疫のない乳幼児にとっては気をつけなければならない多くの感染症が潜んでいます。

コロナウィルスに気を取られがちな時代ですが、他の感染症やその予防について今回は見ていきましょう。

まずは手洗いと咳エチケット

日頃から、正しい手洗い、咳エチケットの指導を行いましょう。手洗いは1本1本の指だけではなく、手首もしっかりと洗うことが大切です。保護者は、オムツ替えや食事の際に手洗いをきちんと行うことが大切です。急性胃腸炎が流行した時には、吐物や下痢便の始末に気をつけ、可能であれば手袋とマスクをして処理することが望ましいです。

咳エチケットでは、席がある時には口を覆い、マスクをするようにし、外したマスクや咳で汚れた手でドアやテーブルを汚さないように注意します。

予防接種

予防接種は子どもにとってとても重要なことであり、弱毒化したウイルスや細菌を接種する生ワクチンやウイルスや細菌を殺したものを接種する不活化ワクチンなどで、病気に対し、免疫を付けさせるようにすることです。予防接種歴は母子健康手帳に記載されているので、集団生活を始める時は、確認しておくことが大切です。

新予防接種法では、予防接種の意義を理解して積極的に受けるよう努力を義務付け、自治体からの費用の援助がある定期(推奨)接種と、接種するときは有料となる個人の任意の意思で受ける任意摂取に分けられます。

定期接種としては、BCG、ポリオ、百日咳、ジフテリア、破傷風、麻疹(はしか)、風疹、日本脳炎、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型(ヒブ)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、2014年より、水痘(水ぼうそう)、2016年より、B型肝炎があります。

任意摂取には、インフルエンザ、流行性耳下腺炎(おたふく風邪:ムンプス)、ロタウィルス、A型肝炎などがあります。予防接種は、以前は集団を対象に行なっていた集団摂取でしたが、現在はほとんどが個人の状態に合わせて行う個別摂取になっています。予防接種を行える間隔は、生ワクチン摂取後は27日以上、不活化ワクチン摂取後は、6日以上です。それぞれのワクチンの摂取に関しては、以下のグラフを参考にしてみて下さい。

ワクチン種類接種年齢回数
インフルエンザ菌b型(ヒブ)不活化初回:2~7ヶ月
追加:12~18ヶ月
初回:3回
追加:1回
肺炎球菌(PCV13)不活化2~7ヶ月
12~15ヶ月
初回:3回
追加:1回
B型肝炎不活化生後2、3、8ヶ月3回
4種混合ワクチン(DPT-IPV)不活化初回:3~12ヶ月
追加:6ヶ月後
初回:3回
追加:1回
2種混合ワクチン(DT)不活化2期:11~13歳2期:1回
日本脳炎(DT)不活化1期:3,4歳
2期:9歳
1期:3歳2回、4歳1回
2期:1回
BCG生ワクチン5~8ヶ月1回
麻疹風疹混合(MRワクチン)生ワクチン1期:12~24ヶ月
2期:5~7歳
1期:1回
2期:1回
水痘生ワクチン12~36ヶ月2回
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)生ワクチン1歳以上1回
ロタウィルス生ワクチン2~6ヶ月2または3回
インフルエンザ不活化全年齢1~2回

感染症と出席停止期間

インフルエンザ
発症した後、5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで

百日咳
特有の咳が焼失するまで、または、5日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで

麻疹
解熱後3日を経過するまで

風疹
発疹が消失するまで

水痘
全ての発疹が痂皮化するまで

流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
耳下腺、顎下腺、舌下腺の腫脹が発現した後、5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで

咽頭結膜熱
主要症状消退後、2日経過するまで

結核・髄膜炎菌性髄膜炎
症状により学校医において感染の恐れがないと認められるまで

出席停止の日数の数え方は、その現象がみられた日(発症した日、解熱した日)は数えず、その翌日を1日とします。

コロナウィルスの流行で、コロナに注意がいきがちですが、他の感染症にも充分注意し、適切な予防接種と対策をしていきましょう!

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