基本的人権の尊重とは、日本国憲法第11条で示されている法が侵すことができない『永久の権利』というやつでしたね!
では、その基本的人権の尊重とは、どのような権利なのかを詳しくみていきましょう!
基本的人権の尊重元来の3つの権利
基本的人権には大きく分けて3つの権利が明確に示されています。それは、『平等権』、『自由権』、そして『社会権』です。
平等権
憲法第13条では、「全ての国民は、個人として尊重される」と定められており、国民は皆平等に扱われることを保障されています。その為、日本では貴族制度も禁止とされています。
平等権=法の下の平等、両性の本質的な平等
法の下の平等
憲法第14条では「すべての国民は法の下に平等であり、人種・信条・性別・社会的身分・家柄・政治的・経済的・社会的関係において差別されない。」とされています。
男女の本質的平等
憲法第24条では、両性の本質的な平等が定められており、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦は合意の下成立するものとされている。
これには歴史的背景がありそうだよね!昔は男性が女性を指名して婚姻を結んだり、権力によって男性が行使したりと一夫多妻の文化もあったくらいだからね!
政治上の平等
政治の世界において、憲法第44条で国会議員や選挙をする人の資格として、人種・信条・社会的身分・家柄・収入などの差別をしないことを定めている。
1999年に、男女共同参画社会基本法が制定されて、男女があらゆる社会活動で対等の立場で参加できるようになったんだよ!
じゃぁそれまでは、政治の世界は女性の参画はあまりなかったんだね!
自由権
自由権は国家権力によって個人の自由が侵されない権利のことで大きく3つの自由に分かれています。
身体の自由
国民はいかなる奴隷的拘束や苦役を受けず、法律の定める手続きに寄らなければ生命と自由を奪われず、人権を侵さない範囲で逮捕・勾留・拘禁・供述されず、拷問や残虐な刑罰は禁止されている。
精神の自由
思想や良心の自由は侵すことができず、信教の自由も保障し、さらに集会・結社・学問の自由も保障している。
経済活動の自由
居住・移転・職業選択の自由が認められており、国民は私有財産を保障し、国家はそれを侵してはならないという財産権の不可侵が定められている。
社会権
すべての国民が人間らしく生活できることを願って作られた権利で、『20世紀的権利』とも呼ばれている。また、この社会権には大きく3つに分かれている。
生存権
すべての国民は健康で文化的な最低限どの生活を営む権利のことで、憲法第25条で保障されており、国家は生活面だけではなく、社会福祉や公衆衛生の面まで向上に努めなければならないとされている。
文化的生存権
これは教育を受ける権利のことで、憲法第26条に定められており、小・中学校の9年間の義務教育は無償としている。
労働者の権利
憲法28・29条では、国民に働く権利を与え、失業者に対してはその生活の保護(生活保護制度)をし、労働条件の最低基準(最低賃金)を国が示している。また、立場の弱い労働者は雇用者側と対等の立場で交渉ができる法律なども認めている。これらに関する法律を『労働基準法』とし、対等の立場で交渉できる団結権・団体交渉権・団体行動権を『労働三権』という。
国に守ってもらうばかりではない?
我々国民は、国に様々な保証をしてもらい、守ってもらうばかりではなく、我々にもこれらの権利を守る権利が存在し、大きく3つに分かれる。
参政権
国民が政治に参加する権利で、選挙において投票をする選挙権と、選挙に立候補する被選挙権がある。また、最高裁判所長官の国民審査と憲法改正への国民投票権もある。
私たち日本人は、国に対しての選挙権などに関しては、参加率も低くあまり責務を果たせていない気もするよね。
請求権
国民の権利が侵された場合、その権利を国に請求し、救済を求める権利のことで、損害賠償請求権や裁判を受ける権利、刑事補償請求権などがあります。
請願権
国民が損害の救済、公務員の罷免、法律の改正など、国の機関に請願できる権利で、保障されている。
近年できた新しい権利
ここ近年、経済や社会が発展し様々な変化が起きている中で、憲法には記されてはいないものの国民の間で新たな人権として注目されているものがあるので、それをご紹介!
環境権
これは高度経済成長期の公害問題などから生まれた権利で、国民がある程度満たされた自然や文化的な環境下で生活を送ることのできる権利で日照権や景観を守る権利、タバコの嫌煙権などがあります。
知る権利
国民が政府や企業に対して生命や安全などに関する情報の公開を請求できる権利で、1999年に情報公開法が制定された。
プライバシーの権利
個人の私生活の情報を他人に公開されたくない権利のことで、個人情報保護やプライバシー保護条例などがある。
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