子どもに関わる日本の社会福祉をまるっと解説

日本の社会福祉の中で、子どもに関係する法律や施設はどんな種類があるんだろう?どんな歴史的背景があり進んできたの?などの疑問を解決するために各項目においてまとめてみました!勉強になる話

日本の社会福祉の中で、子どもに関係する法律や施設はどんな種類があるんだろう?どんな歴史的背景があり進んできたの?などの疑問を解決するために各項目においてまとめてみました!

まずは、社会福祉の大枠をみていきましょう!

まず日本の社会福祉の大枠について、みていきましょう。そもそも『社会福祉』という言葉は、1947年に日本国憲法の第25条で初めて使用されました。その大元ともなっている日本国憲法で重要な点としては、第11条「基本的人権の保障」、第13条「個人の尊重と生命、自由及び幸福追求権の尊重」、第25条「国民の生存圏と国の保障義務」があります。

憲法第11条(基本的人権)

国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。

憲法第13条(個人の尊重と生命、自由及び幸福追求権の尊重)

すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

憲法第25条(生存権と国の保障義務)

  1. すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する
  2. 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

社会福祉のジャンルとして、みなさんが主に体感するのは、『実体概念としての社会福祉』とされており、実体概念としての社会福祉には広義狭義2種類に分かれます。

広義の社会福祉・・・所得保障、医療保障、雇用保障、教育保障、住宅保障などの広範囲の社会保障、社会政策があります。

広義の社会福祉所得保障、医療保障、雇用保障、教育保障、住宅保障などの広範囲の社会保障、社会政策があります。
狭義の社会福祉生活課題や問題を抱えた個人や集団への援助活動とみなす理解であり、社会福祉サービス、社会福祉事業と生活保護など実態を伴う活動。
アルパカ
アルパカ

我々が日々日常で受けているサービスとしては、広義の社会福祉などがわかりやすいかもね!自身の力でどうにもならなかった時、国は社会福祉として様々な保障を用意してくれているよ!

現在の社会福祉の理念って?

現在の社会福祉の理念としては、以下の3つが挙げられます。

基本的人権の尊重

基本的人権の尊重とは、1948年に国連総会で採択された世界人権宣言で示された内容で、日本においては日本国憲法第11条で全員が持つ永久の権利として示されています。

こちらもチェックしてみてね!→基本的人権の尊重を詳しく解説!

ナショナルミニマム

ナショナルミニマムは国の生活水準と比較して、必要最低限必要な生活レベルの生活を保証することで、イギリスのウェップ夫妻という方々が提唱したもので、『最低賃金』『労働時間の上限』『衛星・安全基準』『義務教育』の4つから構成されています。

ノーマライゼーション

ノーマライゼーションはデンマークのバンク・ミケルセンによって提唱された障害者の方のためのもので障害の有無にかかわらず、誰もが地域で一緒に差別なく生活ができるような社会づくりを目指す為に掲げられています。日本では、1995年に策定された『障害者プラン(ノーマライゼーション7ヵ年戦略)』から障害者への施策が急ピッチに進められています。

こちらもチェックしてみてね!→ノーマライゼーション7ヵ年戦略を詳しく解説!

社会福祉の対象と主体

日本の社会福祉の対象は時代と共に変化しており、戦前は貧困者や孤児・病人など生活において課題や問題を抱えている一部の人が対象でしたが、戦後に日本国憲法が制定されてから、時代の流れと共にその対象は変化してきました。その対象は我々一般市民にまで及び、現在では我々が気付かないうちに社会福祉の対象者であり利用していることがあります。

アルパカ
アルパカ

戦前から比べて、社会福祉の対象範囲は広がって今では共働き世帯などは多くが利用している保育所なども社会福祉施設にあたるから利用している人は対象者であり、利用者になるんだね!そのように対象の範囲が広がったから主体も変化をしてきたんだ!

1970年代までは社会福祉施設等を運営できるのは、『国』『地方自治体』『社会福祉法人』の3主体で行っていましたが、1980年代前後高齢者福祉の分野において急激に需要が高まった関係で、民間企業や特定非営利活動法人などの参画が始まりました。

日本の社会福祉の発展

日本の社会福祉は元々社会事業が成立するまでは相互扶助宗教を背景とした慈善救済活動で成り立っていましたが、戦争によって数多くの孤児や身体障害者が生まれてしまったことから、国を挙げて福祉の問題に取り組み、様々な法改正が一気に進む時期が1950年前後から1960年代となります。この頃の社会福祉は目の前の問題を解決すべく福祉三法福祉六法が確立されていき、現在の福祉の基盤が作られました。

この頃の社会福祉の発展における詳しい記事はこちらにまとめてあるよ!

社会福祉における歴史と発展(初期〜福祉元年)

アルパカ
アルパカ

この時代は第2次世界大戦が大きく影響して、日本の福祉の基盤が固められた時代でもあるよ!この時から福祉のニーズがどんどん拡大していき、多様化に向かっていくんだね!

高度経済成長期の福祉

時代は1970年代に入り、日本は高齢化社会(人口の7%が65歳以上の高齢者)に突入しました。この時代は高度経済成長期で税収がどんどん増えていく時代であったため、政府は『社会福祉施設整備5ヶ年計画』を策定し、不足していた社会福祉施設を増設していきました。

社会福祉施設整備5カ年計画

1971年に出されたもので、この時代、高度経済成長に伴い税収は多く国民の生活水準などは先進国の中でも最高水準に達していたが、その反面社会的歪みともいうべき事象が各地で起きていた。それは福祉設備の不足により福祉サービスを必要としている多くの人に手が届いていないことであった。特に、懸念されていたのは、寝たきりの老人や重度の心身障害児(者)については最も立ち遅れている状況であった。そこで国は福祉施設の増設として以下の施設を重点的に進めることとしました。

  • 老人福祉施設
  • 重度身体障害者施設
  • 心身障害児施設
  • 保育所
  • 老人福祉センター

福祉元年(1973年)

高度経済成長により潤沢な税収を得た日本は増え続ける高齢者対策として、医療費無料化高額医療費制度を策定しました。

この福祉元年に実施された施策として、『70歳以上の老人医療費無料化』『高額医療費制度の創設』『年金の物価スライド導入』が挙げられます。

アルパカ
アルパカ

この高額医療費の制度は月に3万円を超える医療費は返金される内容でした。

また、年金の物価スライドとは、物価の変動に合わせて年金額も変動する仕組みで物価の高騰によって発生しうる困窮者を防ぐ目的でもありました。

この年には国民の福祉ニーズも多様化してきて対応が必要な状況が続いていたが、そんな中、オイルショックが起き、景気低迷による税収不足も相まって、国に依存する形で拡充してきた社会保障制度も限界を迎え、『在宅福祉優先』『市町村主導』『民間企業の参入』など大幅な政策の転換が起きていた。

アルパカ
アルパカ

1973年に福祉元年を発表して社会保障関係の財政は15%を超えていたことから謳えていたけれども、オイルショックによってわずか1年で国家による福祉は終焉を迎えたんだね!

福祉八法体制

1980年代には、『老人保険法』『社会福祉医療事業団法』の2つが福祉六法に加えられて福祉八法体制へと移行します。

老人保険法(1982年)

この法律は福祉元年に実施された老人医療費無料化などの高齢者に対する手厚い補償や政策により、老人が安易に病院へ訪れ適正な利用がなされていない人などが多かったため、国民健康保険の財政が圧迫されていた観点から制定されました。当時、老人の健康を考えるとより重要なのは生活習慣病の予防や早期発見など『予防』がより重要であるとされていたため、実施主体を市町村へと移し、負担の公平と健康への自覚や適正な受診を促すという観点から、一部負担を求めました。

1990年代の目まぐるしい発展

1994年には、日本は『高齢化社会』(人口の7%)から『高齢社会』(人口の14%)に突入します。高齢化社会になった1970年からわずか24年で高齢社会に移行したのは先進国の中でも異例でした。

1990年には老人福祉法等を一部改正する法律によって、福祉八法全体の改正が行われ、都道府県から市町村への権限移譲が大きく進み、日本の福祉体制は大きな転換期を迎えます。福祉八法改正による具体的な変更点は以下の通りです。

老人保険法 改正

  • 老人保険計画の策定を義務化
  • 老人福祉法と身体障害者福祉法で入所措置権限が町村へ
  • 在宅福祉サービスの第二種社会福祉事業への位置づけ

老人福祉法 改正

  • 都道府県と市町村に対して『老人福祉計画の策定が義務化』
  • 特別養護老人ホームなどの入所措置権限を都道府県から町村へ
  • 在宅福祉サービスが法定化され第二種社会福祉事業に

身体障害者福祉法 改正

  • 入所措置権限を都道府県から町村へ
  • 在宅福祉サービスの第二種社会福祉事業への位置づけ

児童福祉法 改正

  • 在宅福祉サービスを第二種社会福祉事業へ位置づけ
アルパカ
アルパカ

身体障害者と老人に関しては入所措置権限が町村へ移譲されましたね!だけれども、知的障害者の入所措置は2003年に移譲されていますが児童に関しては今でも入所措置権限は都道府県のままなんだ!

ワニさん
ワニさん

児童の入所に関しては、「親と共に生活をする」環境を奪うことにもなっているので、専門性が高く、権利が大きい都道府県がジャッジすることになっているんだね!

老人保険福祉計画の策定内容

この時代は高齢化の波が押し寄せていたこともあり、老人保険福祉計画の策定が義務付けられ、様々な計画が策定されています。『ゴールドプラン』『エンゼルプラン』『障害者プラン』などです。

高齢者保健福祉推進十ヶ年戦略(ゴールドプラン:1989年)

この頃は、「高齢化社会」から「高齢社会」(7%から14%)に移行し、増え続ける高齢者対策としてこの『ゴールドプラン』が策定されまいた。このゴールドプランで示された在宅福祉サービスの数値目標などの達成に向けて、1990年には老人保健福祉計画の策定が全ての市町村と都道府県に義務化されました。全ての国民が安心してその老後を送ることができるように、策定されましたが、その5年後の1994年に整備目標を引き上げるなどの見直しが行われ、『新ゴールドプラン』が策定されました。その結果、ホームヘルパーの増員デイサービス施設の拡充特別養護老人ホームの増床老人訪問介護ステーションの新設などが行われた。その意思を引き継ぎ、2000年には世界最高水準の高齢化率となった日本では、2004年度までの5年間に渡る『ゴールドプラン21』が策定された。

アルパカ
アルパカ

このように、日本の高齢者に対しての福祉は、「施設福祉」から「在宅福祉」へと移行させるために、具体的な数値目標を掲げながら進められてきたんだね!

エンゼルプラン

日本では1990年の『1.57』ショックを契機に、出生率の低さと子どもの数が減少傾向にあることを『問題』として仕事と子育ての両立支援など、子どもを育てやすい環境づくりに向けての対策が始まった。最初の具体的な計画が、1994年に策定された『今後の子育て支援のための施策の基本的方向について』(エンゼルプラン)であり、以降10年間に取り組むべき基本的方向と重点施策を定めた内容となっている。そこで示された具体的な内容は以下のような内容である。

  • 保育所の量的拡大や低年齢次保育、延長保育等の多様な保育サービスの拡充
  • 地域子育て支援センターの整備

その結果、策定されたのが『緊急保育対策等5か年事業』で、1999年度を目標年次として整備が進められた。その後、少子化対策推進関係閣僚会議において、「少子化対策推進基本方針」が決定され、この方針に基づく重点施策の具体的実施計画として『重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について』(新エンゼルプラン )が策定された。新エンゼルプランは従来のエンゼルプランと緊急保育対策等5か年事業を見直したもので2000年から2004年にかけてこれまでの保育サービスだけでなく、「雇用」「母子保健」「相談」「教育」などの事業も加えた幅広い内容となった。

障害者プラン

障害者プランは別記事で詳しく書いているよ!別名:ノーマライゼーション7か年戦略!

2000年代の現・福祉八法体制

社会福祉法(2000年)

1951年に制定された『社会福祉事業法』が名称変更され、『社会福祉法』となります。この時に「地域福祉計画」が法定化されていますが、この時点では任意策定で策定が努力義務となったのは2018年からでした。

高齢者医療確保法(2008年)

正式名称は『高齢者の医療の確保に関する法律』になります。1982年に制定された老人保険法では老人の医療費無料化の廃止など医療財政の適正化が図られましたが、それでも増え続ける高齢者の医療費が凄まじく、(2007年に”高齢社会”から”超高齢社会”へと推移している)2008年に老人保険法は高齢者医療確保法となり、高齢者医療に対しての改革がなされました。

つまりは、75歳以上の後期高齢者医療制度などを定めた法律になっています。これによって、現行の福祉体制が整うことになります。

  • 生活保護法(1946年〜)
  • 児童福祉法(1947年〜)
  • 身体障害者福祉法(1949年〜)
  • 知的障害者福祉法(1960年〜)
  • 老人福祉法(1963年〜)
  • 母子及び父子並びに寡婦福祉法(1964年〜)
  • 社会福祉法(1951年〜)
  • 高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)(2008年)

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