各年齢における食の悩み!(5大栄養素編)

保育士試験内容

皆さんは子供の食についての悩みってありますか?今、日本では約7割以上の保護者の人が子供の食についての悩みを抱えているのです!年齢に応じて適切な栄養を与えられているのか?好き嫌いが激しくて好きなものばっかり与えているけど平気なのか?うちの子はお菓子ばっかりを食べているけどどんな影響があるの?など様々な悩みが各ご家庭から出てきます。今回はそのし「」をテーマに栄養に関する基礎知識と目安を解説して、参考にしてもらえればと思います。

まずは5大栄養素を把握しよう

栄養を理解する上で、まず一番大切になってくるのが、5大栄養素になります。5大栄養素は分類すると以下の5つになります。

糖質

脂質

タンパク質

ミネラル

ビタミン

これらを機能的に分類すると、「エネルギー源になる」「生体組織を作り出す」「生体機能を調節、維持する」の3つに分かれます。

  • エネルギー源になる→糖質・脂質・タンパク質
  • 生体組織を作り出す→脂質・タンパク質・ミネラル
  • 生体機能を調節、維持→タンパク質・ミネラル・ビタミン

それではそれぞれの特徴を深掘りしてみましょう!

糖質(炭水化物)

1g = 4kcal

糖質は体内で消化酵素の働きによってエネルギーの源になる糖質と、多糖類に属するけれど消化されにくいエネルギー源にならない食物繊維に大別されます。また、炭水化物は炭素・水素・酸素から構成される化合物です。

糖質の働きと種類

糖質はエネルギーとして最も重要な役割を持ちます!全エネルギーの60%を占めており、単糖類、小糖類、多糖類に分けられます。単糖類というのは最小単位で、小糖類は単糖類が2〜10個結合した化合物、多糖類は数百から数千の短刀が結合した高分子化合物です。単糖類と小糖類は水に溶けやすく、多糖類は水に溶けにくくほとんど甘味がありません。

炭水化物は体を動かす燃料

炭水化物は体内でぶどう糖に分解され、基礎代謝や身体活動を支えるエネルギー源になります。中でも脳はぶどう糖だけをエネルギー源とすることと、子どもは脳の発達が目まぐるしいこともあり、全体の約半分のエネルギーを脳が消費してしまいます。脳の成長を支えるためにもきちんと炭水化物を摂取することが大切!

炭水化物はビタミンB1と一緒に摂取しよう!

炭水化物は様々な食品に含まれていますが、特にお米や小麦などの穀類に多く含まれています。他は芋類や豆類など一部の野菜にも含まれています。エネルギー源としてとても重要な炭水化物をより効率的に取るには糖代謝をサポートしてくれるビタミンB1を積極的に摂取しましょう!ビタミンB1が不足すると、糖質をうまくエネルギー変換できず、疲れやくすなったり、脱力状態が続いたりします。ビタミンB1は豚肉、豆類、魚卵などに多く含まれているので、一緒に食べさせてあげましょう。

炭水化物の王様『白米』

白米はあらゆるおかずと合うだけではなく、塩や砂糖、脂、保存料などが一切添加されていない安心食材です。消化・吸収のスピードがゆっくりで腹持ちも良く、幼児にとっては噛む練習やお箸の練習にも適しています。白米には炭水化物のほか、タンパク質、カリウム、ビタミンB1、食物繊維などが含まれており、玄米や雑穀を混ぜればさらに栄養価もアップしますが、幼児にとっては胃腸に負担になることもあるので、あげる際は柔らかく炊いてあげるなど工夫して下さい!

脂質

1g = 9kcal

脂質はエネルギー源体温保持に欠かせない栄養素になります。少量でも多くのエネルギーを得ることができる効率の良いエネルギー源で、細胞膜やホルモン、脳の神経の構成成分にもなっています。体の中に存在する脂質の種類を見てみると、体内に貯蔵されてエネルギー源となる中性脂肪、細胞膜などを構成するリン脂肪、ホルモンや胆汁酸の材料になるコレステロールなどがあります。脂質の主成分は脂肪酸で、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大きく分けることができます。

摂りすぎると肥満につながる!飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は固形のものが多く、乳製品・牛脂・ラードなど肉類の動物性脂肪に含まれ、血液中の中性脂肪やコレステロールを増やす脂質です。多用すると、血液中のコレステロール濃度、中性脂肪濃度が上昇して冠動脈疾患脳血管疾患を誘発したりします。しかし、脂質が不足すると、エネルギー不足に陥り、肌荒れや便秘、発育不全に繋がるので、適度に与えましょう。

効率の良い食べ方は?

食物繊維にはコレステロールの吸収を抑える作用があります。脂質の多い食事を取るときは、野菜や海藻類などと一緒に食べると良いでしょう!また不飽和脂肪酸は酸化すると、過酸化脂質という有害物質に変化します。魚や植物油は新鮮なものを選び、与えましょう。

タンパク質

1g = 4kcal

タンパク質は口から摂取されると消化酵素の働きでアミノ酸に分解され、筋肉・皮膚・内臓・血液など体を構成する細胞の主成分になります。体の機能を調節する酵素やホルモン、神経伝達物質や免疫抗体などの材料にもなることから、生命の維持に大きく関わっています。

幼児にとっては必要不可欠なタンパク質

身体の成長が目まぐるしい成長期の子供にとってはタンパク質が欠かせません!タンパク質の一つであるコラーゲンは骨の成長を手助けし、そこにカルシウムが加わることで硬く頑丈な骨が出来上がります。さらにタンパク質は筋肉を構成し、成長ホルモンの分泌を促します。体を動かすエネルギーにもなり、運動量が多いほどに必要量も多くなっていきます。怪我をすれば組織の修復にも使われ、ウィルスや最近から体を守ってくれるといった必要不可欠な栄養素です!

不足すると、免疫力が低下し、抵抗力が弱くなります。身体の成長に大きく関係することから、不足は必然的に成長不足になります。逆に摂りすぎで心配なことと言えば、肥満でしょう。体外へのカルシウム排出が促されるため、骨が弱くなってしまうなんてこともあります。

子供に食べさせたい良質なタンパク質とは?

タンパク質は一定期間を過ぎると分解されて体外に排出されてしまうので、常に新しいタンパク質を補給していく必要があります。タンパク質は主に動物性の食品に多く含まれています。特に牛肉・豚肉・鶏肉・アジ・鮭・牛乳・卵などです。植物性の中では大豆製品がいいでしょう。幼児に食べさせやすい納豆・高野豆腐・きな粉・海苔などからも摂取することができます。食品によっては含まれているアミノ酸などの種類が違うので、動物性と植物性はバランスよく摂取することをお勧めします。

ミネラル

1g = 0kcal

そもそもミネラルってなんなのか?あらゆる物質を作る基本単位が元素で生態は主に4つの元素(酸素・炭素・水素・窒素)でできている。ミネラルはそれ以外の元素の総称となります。人体に必要とされるミネラルは16種類必須ミネラルと呼ばれています。特に必要なミネラルを主要ミネラル、残りを微量ミネラルと呼んでいます。主要ミネラルは、カルシウム・リン・カリウム・硫黄・塩素・ナトリウム・マグネシウムで微量ミネラルは鉄・亜鉛・マンガンなどが挙げられます。このミネラル不足で最も深刻な健康障害はカルシウム不足による骨粗しょう症。他にも鉄不足による貧血、亜鉛不足による肌荒れや味覚障害などがある。

丈夫な骨と葉の成長に欠かせないカルシウム

カルシウムは人体に最も多く含まれているミネラルです。体内の99%のカルシウムはに存在しています。骨はカルシウムの貯蔵機能を果たし、必要に応じて血液中にカルシウムを溶け出させたり、取り入れたりしています。カルシウムは、乳製品・大豆製品・小魚・海藻類のほか小松菜・大根の葉などの緑色野菜に多く含まれています。成長期には必ず必要になるもので、不足してしまうと成長不足弱い骨の原因にもなってしまうので、積極的に摂取しましょう!牛乳であれば1日にコップ1〜2杯程度を目安に摂取しましょう。

体内に酸素を届ける大切なミネラル『鉄』

鉄は、赤血球の成分(ヘモグロビン)として、肺が取り込んだ酸素を全身の細胞に運び、細胞から二酸化炭素を受け取って肺へと運びます。加えて血液中の酸素を筋肉に取り込み、貯蔵する役割も担っています。体内の酸素を使い果たし、貯蔵されている鉄まで不足してくると、めまい・動悸・息切れ・吐き気・食欲不振など様々な身体症状が現れます。酸素の運搬役であるヘモグロビンが少なくなり、各臓器が酸素不足の状態になってしまうのが原因です。成長期の子供は特に血液を必要とするため、鉄の働きが大きな影響を及ぼします。鉄は体内では合成できないので、食事から十分に摂取する必要があります。鉄を多く含む食品はレバー・赤身の肉・カツオやマグロなどの赤身魚・海藻類・納豆・小松菜やほうれん草などがあります。

ビタミン

1g = 0kcal

ビタミンて実際なんなのか?「体の調子を整える」「健康を維持する」なんとなく体には必要なものだと思っているけれど、たくさん種類があってよくわからない。それがビタミンではないでしょうか?

私たち生物が活動するとき、体の中では様々な化学反応(代謝)が起こっています。その化学反応を起こす物質が近年注目されている「酵素」です。ただし、ほとんどの酵素は、単体で代謝活動を行うことができません。酵素が活動するには、「補酵素」と呼ばれる、酵素の働きを助ける物質が必要となります。この「補酵素」という物質こそがビタミン。つまり、ビタミンとは、生体活動を助ける働きをする栄養素なのです。

脳にも体にも効果的なビタミン

ビタミンは「体の機能に必要な栄養素」ととらえてしまいがちですが、実はビタミンは、子供の脳の発達にも、大きく関わる栄養素です。
ビタミンやミネラルといった「補酵素」と呼ばれる栄養素は、代謝をつかさどる物質である酵素と結びついて、「タンパク質」「脂肪」「糖類」を分解し、脳の栄養となる「ぶどう糖」を作り出し、脳にエネルギーを与える役割を果たします。私たちが何かを考えるとき、脳内では酵素が神経を伝達する物質を一瞬にして作り出していますが、ビタミンやミネラルがなければ、酵素は働くことができません。脳内で酵素を働かせるためには、ビタミンが不可欠なのです。

ビタミンの生理作用と欠乏症

ビタミンは基本的に体内では合成されないので、食品から摂取する必要があります。脂溶性ビタミンはA・D・E・K。水溶性ビタミンはB1・B2・B6・B12・C・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・ビオチンがあります。脂溶性ビタミンは主に肝臓に蓄積するので、過剰摂取は過剰症を引き起こします。水溶性ビタミンは過剰摂取しても尿中に排泄されるので、毎日一定量を摂取する必要があります。しかしビタミンB6・葉酸・ナイアシンなどについては多量な過剰摂取では健康障害が心配されるために日本人の食事摂取基準においては耐用上限量が示されています。摂取不足の場合はそれぞれ欠乏症が発生します。

全てを把握するには、とても大変なので、特に必要なものとしてビタミン損失夜盲症くる病ペラグラが挙げられます。ビタミン損失はビタミンB1やCは水溶性であるため、煮汁の中に溶出しやすく、水洗いでも損失があります。

夜盲症はビタミンA不足によって引き起こされる症状で、網膜の明暗を感じる機能に障害が起こり、薄暗くなると見えにくくなる症状です。ビタミンAを多く含む食品としては、レバー・うなぎ・バター・チーズ・卵・緑黄色野菜があります。

くる病はビタミンD不足によって引き起こされる症状で、小児期に発症する症状で、骨の発達障害、骨変形が起こってしまいます。ビタミンDを多く含む食品としては、魚介類・卵・キノコ類などがあります。

ペラグラはナイアシン不足によって引きここされる症状で、手足・顔・首に起こる皮膚炎でさらに下痢・頭痛・神経障害も引き起こしてしまします。ナイアシンを多く含む食品としては、レバー・魚・肉があります。


以上が5大栄養素の概要になります。それぞれがどんな働きをして、不足するとどんな症状が起こるのかなどをまとめてみました。子供の成長において食の問題は常に付きまとうもので多くの家庭の悩みの一つでもあります。別の記事では摂取量目安や子供の発育についてなどをまとめてみようと思いますので、そちらも是非参考にしてみて下さい!

コメント

タイトルとURLをコピーしました