子どもの心のお話と発達障害(学童期編)

子どもの心のお話と発達障害(学童期編)

学童期は小学校時代にあたり、心身ともに比較的落ち着いた時期ではありますが、就学に伴う教科や人間関係からのストレスなどが原因で不適応を起こしたり、幼児期には見過ごされていた問題が露わになることもあります。

ここでは学童期以降に比較的多く見られる抜毛症、難聴、強迫性障害、分離不安障害を見ていきましょう。また、現代だからこそ発生し始めている問題点も

抜毛症

抜毛症とは、正常な毛を引き抜いてしまう習癖によって頭部に脱毛班が現れてしまう精神疾患のことです。俗に抜毛癖、禿頭病とも呼ばれています。本人が全く自覚せずに無意識のうちに抜いてしまっている場合もあります。

これらは不満不安から起こる神経症であるため、それを低減するような環境づくりや根本の原因の究明が必要にはなってきます。

難聴(心因性)

耳や脳に明らかな障害がないにも関わらず、聴力検査結果で異常がみられることがあります。このような聴力障害の状態を機能性難聴または非器質性難聴と呼びます。

機能性難聴のうち、原因となる精神的ストレスが明らかであるものを心因性難聴、意図的に難聴を装った結果起こる難聴を詐聴と呼びます。この心因性難聴は比較的女の子に多い傾向があり、主には精神的ストレスが原因ですが、幼児的であったり依存心が強いなどの性格的な特徴がみられることもあります。

強迫性障害(強迫症)

強迫性障害は自分でも不合理だと思いながらも何回も特定の動作を繰り返したり、何かに対するこだわりが取れないことです。例えば、トイレに入った後何回も手を洗う、ドアの鍵をかけたかどうか何回も確認するといった、「強迫行為」また、「火事になったらどうしよう」といった特定の考えが浮かんで、頭から離れない強迫観念があります。こういった動作や思考自体は通常の人にもみられるものですが、それを何回も、何十回も巡らせてしまう状態のことで、社会的生活に支障をきたします。

本人の性格、家庭環境、対人関係などに起因する精神的ストレスが影響していると考えられるので、カウンセリングや精神療法が有効でしょう。しかし、脳の機能以上の場合は薬物治療になり得ます。この症状は統合失調症の初期段階でもみられるケースがあるので、注意が必要です。

分離不安障害(分離不安症)

分離不安障害とは、名前の通り、愛着を持っている人物からの分離に関して、発達的にみて不適切で過剰な不安あるいは恐怖がある場合を言います。当該の人物から離れることに対して抵抗を示したり、家庭から離れて学校や仕事に出かけることを拒否したりします。また、分離の際に頭痛や腹痛などの身体症状が出たり、分離に関する悪夢を繰り返しみたりすることもあります。

分離不安障害は、「別れの場面」が長引くと不安が増大したり、保護者の不安がそのまま子どもに伝わってしまうことがあります。子どもが「保護者と離れていることに慣れる」「保護者以外に愛着を持てるものを持つ」ことが大事になってきます。
また、夏休みなど長期休暇の後などに再び症状が現れることがあるため、そういった長期休暇の中でも親と離れていることに慣れ続けておけるよう、親と子どもが離れている時間を作ることが大切です。

インターネットがもたらす障壁

インターネットが普及して、今では2歳、3歳の子どもでもスマホを操り、YouTubeにのめり込む光景を普通に目にする世の中になってきています。そんな中で、ンターネット等を通じた擬似的・間接的な体験が増加する反面、人やもの、自然に直接触れるという体験活動の機会の減少があげられます。

スマホの普及に伴って子供も様々な情報社会に身を置いていることでもちろんプラスなこともありますが、小学校などに就学してから露わになってくる障壁がそこにはあります。一昔前は同年代のお友達と外で遊んだり、ルールなどを用いた遊び(協同遊び)をしたりしますが、現代は断然と減ってきてしまっている現状があります。それによって集団形成の話の中に入れず、孤立してしまったり、いじめにあったりと新たな角度からの問題が見受けられています。


以上が、学童期における心の問題でした。学童期(小学生時期)では子供にとって大きく環境も変わり、集団形成の中での葛藤や勉学における優劣などストレスを抱える場面も多くなってくる時期です。この時期はなるべく保護者の方も寄り添い、「不安」を取り除いてあげることが大切になってくるでしょう。

また、現在インターネットの普及などによる影響で、子供も小学校入学前にスマホやネットTVなどに夢中になっている時間が多くなり、同年代のお友達と外で遊ぶ時間が以前と比べて圧倒的に減っているデータがあります。それが原因となり、人やもの、自然に触れるということに慣れていないが故に、集団の輪に入れず、孤立するなどといった恐れも年々増えてきています。

集団形成の中に入れないと、「いじめ」や「社交性の欠如」「他者への思いやりの欠如」など様々な問題が起こりうる可能性があります。そうならない為にも、就学前から外の世界との関わりを積極的に持つことや対人訓練を積むなど現代ならではの事態が起きています。